海洋環境について

海洋環境研究の重要性
海洋環境の変化は、魚介類の生息に大きく関わる問題であると同時に、私たちの暮らしにも直接大きな影響を与えます。
つい先日、福島原発から大量の汚染水が海中に漏れ出ていた事が報じられましたが、福島をはじめ、近海の漁業に与える影響は計り知れないものがあります。
もちろん、近海における生態系にも大きな影響を与えるでしょう。
 
海洋環境の変化が齎す生物絶滅事件
今から2.5億年前、海洋酸素の大幅な減少が発生し、地球上の生物の実に90%~95%が絶滅するという大事件がおきました。
原因は詳しくはわかっていませんが、超大陸の形成時におこるマントルの上昇気流「スーパープルーム」が原因ではないかとの説が有力視されています。
生物の絶滅といえば、6500万年前におきた恐竜の絶滅が有名ですが、実は地球上では、これまでに少なくとも5回は生物絶滅の危機が訪れています。
中でも、2.5億年前の海洋酸素の不足による生物絶滅事件は、地球の歴史上、最大規模のものである事がこれまでの研究で明らかになっているのです。
 
渤海国の滅亡事件
渤海国とは、698~926年にかけて現在の中国東北部に高句麗滅亡後、大祚栄が建国した国です。
926年に滅亡しているのですが、滅亡原因が諸説様々で、Wikipediaなどでは契丹(遼)の国に攻められ、滅ぼされたと説明されています。
一方では、渤海国の西側に位置する、白頭山(長白山)が大噴火を起こし、これが原因ではないかと一時は注目を集めましたが、渤海国の滅亡から11年後の出来事だとわかると、話題にものぼらなくなりました。
その後注目されたのが、海洋環境の研究により、渤海国の滅亡3年前から寒冷化が進んでいたことがわかりました。
滅亡時には相当冷え込んでいたとされています。
そこで、大寒波による滅亡説が有力となりましたが、その後の調査で白頭山(長白山)が実は短い期間に2度大噴火を起こしている事が解明され、今まで知られていた白頭山(長白山)の大噴火は、2度目のものである事がわかったのです。
1度目の噴火は渤海国の滅亡前で、渤海国滅亡との因果関係に再度注目が集まるようになりました。
現在では、今回紹介した3つの説が有力視されていますが、果たしてどの説が正しいのでしょうか?
白頭山(長白山)の大噴火
 
気象・海洋環境変化が与える漁業への影響
有名なものとして、長崎県・諫早湾の国営干拓事業があります。
有明海はもともと魚介類の宝庫でしたが、干拓工事に伴い、タイラギ貝の大量死や海苔の品質低下、奇形魚の増加など、海洋環境破壊が齎した影響は甚大なものとなりました。
自然海洋環境変化による漁業の影響としては、青森県の陸奥湾における養殖ホタテ貝の大量死(水温上昇が原因)や、赤潮発生による魚介類の大量死などがあります。
赤潮は生活排水や工場排水による、窒素やリンの大量流出が原因とされ、赤潮が発生すると海水中の酸素濃度が薄くなり、魚介類の生態系に大きな影響を与えます。
また、赤潮は水温が一定レベルに達すると発生する事から、地球温暖化との関連性も指摘されています。